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シンガポールにおける特許出願書類

2014年05月27日

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■概要
シンガポールでは、特許出願書類として、願書、明細書、クレーム、図面、要約書が必要であり、出願手続は英語で行わなければならない。
■詳細及び留意点

【詳細】

 シンガポール特許法は、特許出願書類として、(1)願書、(2)明細書、(3)クレーム、(4)図面、(5)要約書を定めている(シンガポール特許法第25条(3))。

 

(1) 願書(様式1)

 願書の記載事項には、以下のものが含まれる。

・発明の名称

・出願人の氏名及び住所、国名等

・優先権に関する事項(基礎出願日、国、番号)

・発明が国際博覧会に展示されたか否かの表示

・代理人の氏名及びシンガポールにおける送達用あて先

 

(2) 明細書

 明細書は、当業者が発明を実施できるように、明確かつ完全に内容を開示するものでなければならず(同法第25条(4))、次の順序で記載すべきである(シンガポール特許規則19(3))。

・発明の名称

・発明の説明

・クレーム

・図面

 

 このうち、発明の説明には、以下の内容を記載する(同規則19(5))。

・発明の名称

・発明が関連する技術分野の詳述

・発明の理解、調査及び審査に有用と考えられる技術的背景の表示

・クレームされた発明の明示(関連する技術的課題及び発明による解決方法を理解できるように記載し、技術的背景に関連して発明による有利な効果を述べる必要がある)

・各図の簡単な説明

・少なくとも1以上の実施例(あれば図面を引用する)

・発明の説明又は本質から自明でない場合、産業上の利用可能性があることの説明

 

 発明の説明や説明であると認められる事項に英語以外の言語が含まれている場合は、英語の翻訳文を提出する必要がある。英語の翻訳文が提出されていない場合には登録官により通知がなされ、当該通知日から2ヵ月以内に提出しなければ当該出願は拒絶されるので(同規則19(10)~(12))、必要があれば、前もって準備しておくと良い。

 

(3) クレーム(同法第25条(5)、同規則19(6)~(9))

・クレームは、出願人が保護を求める事項を定義すること、明確かつ簡潔であること、発明の説明により裏付けられていることが求められ、1発明又は単一の発明概念を形成するように連結された1群の発明に関わるものである必要がある。

・また、クレームは、発明の技術的特徴に関し、発明の説明又は図面の参照に依拠してはならず(当該参照がクレームの理解のために必要である場合、クレームの明確性・簡潔性を高める場合は除く)、クレームする発明の内容を考慮して適切な数である必要がある(クレームが複数ある場合はアラビア数字で通し番号をつける)。

・クレームにおいて保護を求める事項は、構造的・機能的又は数学的用語を用いて表現することができる当該発明の技術的特徴によって特定しなければならない。

・シンガポールでは、マルチマルチの従属クレームも認められている。

 例:請求項3.The apparatus of claims 1 or 2, further comprising X.(マルチ)

   請求項4.The apparatus of any one of claims 1 to 3 further comprising Y(マルチマルチ)

 

(4) 図面(同規則21)

 図面は、国際A4サイズ(29.7cm×21cm)で、複写に耐え得る耐久性があり、色を使わず黒色で、十分な濃さ、均一な太さの鮮明な線により作成し、少なくとも上部2.5cm、左側2.5cm、右側1.5cm、下部1.0cmの余白を設ける。

 図面上に記載される数字、文字、基準線は、単純かつ明確なものである必要があり、数字と文字については、括弧、丸及び引用符は使わない。

 図の各要素は、その図の他の各要素と同じ寸法比率で記載する。

 

(5) 要約書(同規則22)

 要約書には、冒頭に発明の名称を記載し、明細書に開示されている当該発明の内容の概要を簡潔に記載しなければならない(通常は150語以内)。なお、概要には、当該発明が属する技術分野、当該発明が関係する技術的課題、当該発明による課題の解決方法の要旨、当該発明の主たる用途を、明確に理解できるように記載する。

 明細書に図面が含まれる場合であって、公表の時点で要約に添付するべきであると考える図面については、当該図(1又は例外的に複数)を要約書で表示する。

 

(6) その他の書類

・出願人と発明者が完全に一致しない場合は、上記の出願書類のほか、出願人が特許を受ける権利を有する旨の宣誓書を、所定の様式(様式8)で提出することが求められる。

・優先権主張を伴う特許出願において、優先権証明書は、登録官から提出を要求されない限り、出願時に提出しなくてもよい。

 

【留意事項】

・願書、明細書、要約に記載する発明の名称は、簡潔かつ正確で、当該発明に関係する事項を表示するものである必要がある(同規則19(4))。

・上記出願書類は英語で作成する必要がある。

・出願書類に不備があった場合、審査官が指定する期間内に意見を述べるか不備を補うことを求める通知が出される。所定の期間内に補正しなければ、出願は拒絶される(同法第28条(4)(5))。

■ソース
・シンガポール特許法
・シンガポール特許規則
・特許出願願書フォーム(様式1)
http://www.ipos.gov.sg/Portals/0/PF12005.pdf ・宣誓書フォーム(様式8)
http://www.ipos.gov.sg/Portals/0/Forms%20and%20fees/patents/PF08B1.pdf
■本文書の作成者
辻本法律特許事務所
Donaldson & Burkinshaw LLP
■協力
一般財団法人比較法研究センター 不藤真麻
■本文書の作成時期

2014.01.22

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