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韓国における特許・実用新案出願制度概要

2012年07月31日

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■概要
特許及び実用新案の出願手続は、主に(1)出願、(2)方式審査、(3)出願公開、(4)実体審査、(5)登録の手順で進められる。両者の手続の違いは、審査請求期間が特許の場合出願から5年であるのに対し実用新案の場合3年であり、特許件の存続期間が出願日から20年であるのに対し実用新案の存続期間は出願日から10年である点である。
■詳細及び留意点
特許の出願手続フローチャート図

特許の出願手続フローチャート図

 

発明特許及び実用新案の出願手続は、上記フローチャートに示したように、主に、(1)出願、(2)方式審査、(3)出願公開、(4)実体審査、(5)登録の手順で進められる。

 

(1)出願

  • 韓国国内出願では、日本語や英語などの外国語での出願はできず、韓国語での出願となる。
  • パリ条約による優先権主張は最初出願日から1年以内、PCT出願による国内段階移行は、優先権主張日又は国際出願日から31ヶ月以内に韓国語による翻訳文を提出しなければならない。なお、翻訳期間の延長はできない。
  • 自身の発明を出願前に公開した場合、公開後、12ヶ月以内に出願すれば、新規性及び進歩性の判断において公開日まで遡及を受けることができる(特許法第30条)
  • 自発補正は、特許査定の謄本送達前又は最初の拒絶理由通知(韓国語「의견제출통지(意見提出通知)」)前まではいつでも可能である。
  • 特許と実用新案の二重出願はできないが、出願変更は可能。

 

(2)方式審査

  • 出願書類等が不備である場合、補正指示が発付される。これに応じなければ、出願が不受理となる。

 

(3)出願公開

  • 特許出願日(優先日、PCT出願日)から1年6ヶ月が経過すれば、出願が公開される(特許法第64条)
  • 申請により早期出願公開が可能である。

 

(4)実体審査

  • 審査請求は、出願と同時又は特許の場合は特許出願日(PCT出願日)から5年以内、実用新案の場合は実用新案出願日から3年以内に、何人も請求することができる。(特許法第59条、実用新案法第12条)

 

<審査1>で拒絶理由がない場合

審査で拒絶理由がない場合、特許査定(韓国語「특허결정(特許決定)」)となる。特許査定書を受けてから3ヶ月以内に3年次分の登録料を納付すれば、特許証が発付される(特許法第66条、第79条)。

 

<審査1>で拒絶理由がある場合

審査で拒絶理由がある場合、拒絶理由通知書(韓国語「의견제출통지서(意見提出通知書)」)を発付する。これに対し、意見書・補正書を提出すれば、再度審査<審査2>し、拒絶理由が解消されれば、特許査定となる(特許法第63条)。

 

<審査2>で拒絶理由が解消されない場合

意見書及び補正書を受けて再度審査したが、拒絶理由を全て解消できない場合、拒絶査定(韓国語「거절결정拒絶決定」)がなされる(特許法第62条)。しかし、提出された補正書により拒絶理由が解消されているが、この補正により新規事項や記載不備が追加された場合などに、最後の拒絶理由通知書が発付される。また、補正とは別に新しく拒絶理由が発見された場合に、再度新たに拒絶理由通知書が発付されることもある。

 

 (5)登録

  • 登録時に3年次分の登録料を一括納付することが必要であり、その後、年金を納付し続ければ、特許出願日から20年間特許権が存続する(特許法第88条)。
  • 他の法令に定める許可や登録等のために特許が実施できない期間がある時は、5年を限度に当該特許権の存続期間を延長することができる(特許法第89条)。
  • 2011年改正により(2012年3月15日施行)、審査期間の遅延分を補填する延長制度が創設され、特許出願日から4年、または審査請求日から3年のうちの遅い日からさらに遅延して特許権の設定登録が行われた場合、出願人の請求により、その遅延した期間だけ存続期間を延長することができる(特許法第92条の2から第92条の5)。

 

(6)拒絶査定を受けた場合の対応

(a)再審査請求

  • 2009年7月1日施行の改正特許法で、再審査請求制度が導入された。従前は、拒絶査定を受けた場合、審査官による再度の審査を受けるためには、必ず拒絶査定不服審判を請求し補正を行うようになっていたが、この法改正以降の出願は、拒絶査定不服審判を請求をせずに、拒絶査定謄本の送達日から30日以内(2ヶ月期間延長可能)に、明細書又は図面を補正する補正書と再審査を請求する旨記載した書式を提出すれば再審査を受けることができる。ここで拒絶理由が全て解消されれば、特許査定となる。

 

(b)拒絶査定不服審判

  • 拒絶査定後、再審査請求又は拒絶査定不服審判のいずれか一方を請求することができる。拒絶査定不服審判を請求した場合は、明細書や図面に対する補正書は提出できない点に注意が必要である。
  • 拒絶査定書送付日から30日以内(2ヶ月期間延長可能)に拒絶査定不服審判請求をすることができる。
  • 拒絶査定不服審判が請求されれば、審理を行い、審査局に差戻し又は拒絶査定を維持すると審決する。審決に不服があれば、特許法院に審決取消訴訟をすることになり、その次は大法院に上告することができる(特許法132条の2、186条)。
■ソース
韓国特許法
韓国実用新案法
JETRO模倣対策マニュアル韓国編(2012年3月)
http://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip/pdf/mohou_2011.pdf
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期

2012.07.09

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