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韓国における商標異議申立制度

2012年12月21日

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■概要
韓国は権利付与前の商標異議申立(韓国語「異義申請」)制度を採用している。これは、出願公告された商標登録出願に対して異議がある者は誰でも、出願公告日から2ヶ月以内に登録を受けることができない理由の証拠と共に、異議申立を特許庁長官(韓国語「特許庁長」)に提出することができる制度である。
■詳細及び留意点

(1) 異議申立(韓国語「이의신청(異議申請)」)できる者及び申立ができる期間

 誰でも出願公告日から2ヶ月以内に異議申立をすることができる。即ち、利害関係人でなくても異議申立が可能である(商標法第25条第1項)。申立期間の延長はできない。

 

(2) 異議申立の理由及び証拠

 異議申立の理由及び証拠資料は、異議申立期間の経過後30日以内に補正することができる(商標法第26条)。この期間内に補正がなされなかった場合は、審査官は決定をもって申立てを却下すると同時に、当該出願に対して登録決定し、当事者にその旨を通知する(商標法第27条3項)。

 理由補充の期間延長は1回認められ、2ヶ月以内に限られる(商標・デザイン審査事務取扱規程第26条)。この期間経過後の証拠資料の提出は一切認められず、職権調査資料として参考とされるにとどまる(商標審査基準第44条第1項)。

 

(3) 審理

 異議申立は3人の審査官による合議制で審理される。

 審査官は、異議申立があるときには、異議申立書の副本を出願人に送達し、期間を定めて答弁書を提出する機会を与える(商標法第27条第1項)。出願人の答弁書の提出期間は、1ヶ月と指定されている。しかし、原則として、1ヶ月以内の期間を1回限り延長できる(商標・デザイン審査事務取扱規程第26条)。

 審査官による職権審査が可能であり、申立人が主張しない理由についても審査できる。審査官が異議申立に関する審査中に新しい拒絶理由を発見した場合には、出願人に期間を定めて意見陳述の機会を与えなければならない(商標・デザイン審査事務取扱規程第31条第1項・第2項)。

 また、異議申立に対する決定をするにおいて、異議申立書、証拠資料、答弁書等と職権による調査資料を総合して判断し、必要であると認定された時には、意見を聞くことができる(商標審査基準第44条第4項)。

 

(4) 決定

 異議申立が理由ありと判断されれば、異議決定書で「理由がある」と決定され、当該出願には拒絶査定書が発付される。出願人がこの決定に不服の場合、拒絶決定不服審判を請求することができる。

 異議申立が理由なしと決定されれば、当該出願は登録査定される。異義申立人がこの決定に不服申立することはできない。この場合は、商標登録無効審判または商標登録取消審判を請求することができる。

 なお、2以上の異議申立が競合する場合は併合審理することができるが、その場合、いずれか一つが異議申立の理由ありと決定されれば、他の異議申立について決定しないことができる。しかし、決定をしなかった異議申立人に対しても、商標登録拒絶査定(韓国語「거절결정(拒絶決定)」謄本を送達しなければならない(商標法第29条)。

 

【留意事項】

(1) 日本は権利付与後異議申立制度であるが、韓国は権利付与前異議申立制度であることに注意する。また、韓国では日本と異なり、参加制度は採用していない。

 

(2)出願公告された商標については韓国特許庁傘下の特許情報院ホームページ(http://eng.kipris.or.kr/eng/main/main_eng.jsp)で商標出願公報の検索が可能であるため、随時検索し、登録されるべきでない商標を見つけた場合には異議申立を行うべきである。

 特に、現行商標法は模倣商標の登録を防ぐために、周知性の要件を緩和した。即ち、「国内または外国の需要者間に特定人の商品を表示するものであると認識された商標」を模倣した場合、登録を受けることができないように規定しているので、このような場合には、異議申立制度を積極的に活用することが望ましい(商標法第7条12号)。

 

(3)商標出願後2週間程度経てば、出願内容がインターネットに公開されるので、異議申立対象商標を予め検索することができる。もっとも、そのような商標を発見した場合は、手続面・費用面で異議申立より情報提供制度をすることが望ましい。そして、情報提供したにも関わらず公告決定を経て公告された場合は、異議申立することを検討する。

■ソース
・商標審査基準
・商標・デザイン審査事務取扱規程
http://law.go.kr/LSW/admRulLsInfoP.do?admRulSeq=2000000017993 ・韓国特許庁ホームページ 商標の理解
http://www.kipo.go.kr/kpo/user.tdf?a=user.html.HtmlApp&c=10003&catmenu=m04_01_04
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
■本文書の作成時期

2012.10.16

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