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台湾における商標制度のまとめ-手続編

2019年03月14日

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■概要
台湾における商標制度の運用について、その手続き面に関する法令、出願実務を関連記事とともにまとめて紹介する。
■詳細及び留意点

1. 出願に必要な書類

 願書、商標見本(商標法施行細則第12条)、委任状(商標法施行細則第5条)に加え、必要に応じて優先権証明書(商標法施行細則第20条)を提出する。

 

関連記事:「台湾における商標関連手続に必要な書類」(2013.08.06)

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2. 登録できる商標/登録できない商標

(1) 登録できる商標の種類

 文字、図形、立体、音、位置、色彩のみ、ホログラム、動き、トレードドレス、匂い、その他(上記の組合せ)

 

(2) 登録できない商標の種類

 味、触感

(台湾には、標準文字制度はない。)

 

(3) 通常の商標以外の制度

 団体標章、証明標章、その他(著名商標)

 

関連記事:「台湾における商標出願制度の概要」(2012.07.31)

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関連記事:「台湾における著名商標保護に関する知的財産裁判所判例」(2016.04.13)

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3. 出願の言語

 出願言語は中国語(繁体字か簡体字)。

外国語の文字の含意が指定商品または役務の慣用名称または関連説明である場合、識別性を有しない。出願商標の図案が外国語の文字からなるまたは外国語の文字を含む場合、出願人は願書の商標図案分析欄に言語の種類およびその中国語の字義を記載しなければならない。(商標識別性審査基準4.1.3)

 

関連記事:「台湾における中国語または英語以外の言語表記を含む商標の出願」(2015.09.15)

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4. グレースピリオド

 商標新規出願においてグレースピリオドはないものの、更新出願において存続期間満了後の6か月以内に2倍の政府手数料を納付して更新できるグレースピリオドがある。

 

 

5. 審査

(1) 実体審査:

 あり

 

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(2) 早期審査

 なし

 

(3) 商標の類否判断の概要

 商標法第30条第1項第11号に規定される不登録事由「混同誤認を生じさせるおそれがあるか」の判断に関する「混同誤認のおそれの審査基準」において、

 (a) 商標の識別性の強弱、

 (b) 商標が近似しているかおよび近似の程度、

 (c) 商品・役務が類似しているかおよびその類似の程度、

 (d) 先願者の多角経営の状況、

 (e) 実際に混同誤認を生じた例、

 (f) 関連消費者が各商標をどの程度周知されているか、

 (g) 係争商標の出願人は善意か、および

 (h) その他の混同誤認を生じさせる原因等

の8つの事由を斟酌しなくてはならないと明文規定されている。

 

関連記事:「台湾における商標の類似について」(2014.01.10)

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関連記事:「台湾の商標登録における「逆混同」の訴訟実務について」(2014.06.20)

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6. 出願から登録までのフローチャート

(1) 出願から登録までの商標出願のフローチャート

20190314_1

 

(2) フローチャートに関する簡単な説明

(A) 実体審査(商標法第31条第1項、同法第32条第1項)

 識別性の有無(商標法第29条第1項、同条第3項)、先願登録商標との同一・類似、品質誤認の有無、公序良俗違反の有無など、登録を受けることができない商標(商標法第30条第1項、同条第4項)に該当しないかについて審査される。これらの登録要件を具備しない場合は拒絶理由が通知され、意見書で反論する機会が与えられる(商標法第31条第2項)。

 指定商品や役務の減縮等の補正や出願の分割、実質的に影響を及ぼさない商標図様の変更、権利不要求の声明などは、拒絶査定がなされる前まで、行うことが可能である(商標法第31条第3項)。

 

関連記事:「台湾における商標出願制度の概要」(2012.07.31)

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関連記事:「台湾での商標出願における拒絶理由通知に対する対応策」(2015.02.17)

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[権利設定前の争いに関する手続]

 

7. 拒絶査定不服

 拒絶査定に不服がある場合は、経済部訴願審議委員会に訴願を提起することができる。

 

関連記事:「台湾における商標法の紹介」(2014.03.28)

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関連記事:「台湾商標、専利訴訟手続き概要(不服申立型)」(2013.05.02)

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8. 権利設定前の異議申立

 なし

 

 

9. 上記11の判断に対する不服申立

 上記Q-T11による拒絶査定不服に関する判断の結果(訴願を棄却)に対して、さらに智慧財産法院に行政訴訟を提起することができる。

 智慧財産法院の判決に不服がある場合は、さらに最高行政裁判所(最終審)に上告を提起することが出来る。

 

関連記事:「台湾における商標法の紹介」(2014.03.28)

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関連記事:「台湾商標、専利訴訟手続き概要(不服申立型)」(2013.05.02)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/2771/

 

 

[権利設定後の争いに関する手続]

 

10. 権利設定後の異議申立

 登録公告日から3か月以内であれば、誰でも異議申立ができる(商標法第48条第1項)。指定商品や役務単位で申立が可能(商標法第48条第2項)。副本送達後、商標権者は答弁書を提出して反論する(商標法第49条第2項)。異議が成立する場合、商標の登録が取消される(商標法第54条)。異議決定により、異議理由が存在する指定商品や役務のみ取り消される(商標法第55条)。

 

関連記事:「台湾における異議申立制度」(2016.05.19)

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関連記事:「台湾における商標審判手続概要——異議申立」(2013.05.02)

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関連記事:「台湾における商標出願制度の概要」(2012.07.31)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/315/

 

関連記事:「台湾における商標法の紹介」(2014.03.28)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/5763/

 

関連記事:「台湾における商標権に基づく権利行使の留意点」(2014.02.07)

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11. 設定された商標権に対して、権利の無効を申し立てる制度

請求人適格

 「利害関係人」または審査官は、商標無効審判を請求することができる(商標法第57条)。

 

無効理由

 商標の登録に関して商標法第29条第1項(識別力)、第30条第1項(一般の登録要件)、もしくは第65条第3項に違反する。

 

請求できる期間

 請求の期間については、商標権の設定登録後であれば、原則としていつでも無効審判の請求が可能であるが、一部の無効理由については除斥期間の定めがあり、こうした無効理由に基づく審判請求については、商標権登録公告日から5年以内に行うべきであるとされている(商標法58条第1項)。

 除斥期間の定めのある商標の無効理由のうち主なものを挙げれば以下のとおり。

  • 商標法29条第1項第1号、第3号、違反(例:普通名称、慣用商標、記述的商標等)
  • 商標法第30条第1項第9号違反(ワインの地理的表示と混同を生ずるおそれがある商標)
  • 商標法第30条第1項第10号違反(例:登録商標または先出願と類似の商標等)
  • 商標法第30条第1項第11号違反(例:他人の周知商標の類似商標等)
  • 商標法第30条第1項第12号違反(他人が先に使用している商標と同一または類似のもので、出願人が該他人との間に契約、地縁、業務上の取引またはその他の関係を有することにより、他人の商標の存在を知っており、意図して模倣し、登録を出願した場合)
  • 商標法第30条第1項第13号違反(例:他人の肖像、氏名、著名な芸名等を含む商標)
  • 商標法第30条第1項第14号違反(例:著名の団体、商号、法人の名称を含む商標)
  • 商標法第30条第1項第15号違反(例:他人の特許、商標、著作を侵害している商標)
  • 商標法第65条第3項違反(3年不使用の理由で商標を取消された後、3年以内に再登録は不可)

 なお、前記無効理由のうち、第30条第1項第9号または第11号の違反については、悪意で行う場合には除斥期間の適用を受けない(商標法58条第2項)。

 

 請求後は答弁書等の提出により争点整理を行い、審理を経て審決が出される。審決に対しては、審決書送達日の翌日から30日以内に訴願を申し立てることができる(同法第62条)。

 

関連記事:「(台湾)商標審判手続概要———無効審判」(2013.01.29)

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12. 商標の不使用取消制度

 登録商標を取り消すべき事由(商標法第63条第1項)があるとき、何人もいつでも台湾知的財産局に取消審判を請求することができ、また台湾知的財産局も職権により登録を取り消すことができる。最も多い取消事由は、登録後に正当な事由なく未使用または継続して3年間使用していないことによるものである(商標法第63条第1項第2号)。

 商標権者が、他人が不使用取消審判を請求しようとすることを知ってから使用を開始する、いわゆる「駆け込み使用」を防ぐため、不使用取消審判が請求される前の3ヶ月間の使用は、商標の使用として認められない(商標法第63条第3項)。

 

関連記事:「台湾における商標審判手続概要————取消審判」(2012.12.07)

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関連記事:「台湾における「商標の使用」の証拠について」(2013.05.28)

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13. その他の商標取消制度

【その他の審判】

 上記16以外に、登録商標を取り消すべき事由(商標法第63条第1項)があるとき、何人もいつでも台湾智慧財産局に取消審判を請求することができ、また台湾智慧財産局も職権により登録を取り消すことができる。主な取消事由は以下の通りである

(a) 商標権者が自ら商標を変更し、または付記を加え、当該取消審判請求時に取消対象とされた商標(即ち、係争商標)と他人が使用する同一または類似の商品または役務を指定する登録商標(即ち、根拠商標)と同一または近似となり、関連消費者に混同誤認を生じさせるおそれがあるとき。

(b) 商標法43条の規定に基づいて適切な区別を付けていないとき。

(c) 商標が指定する商品もしくは役務の通用名称となっているとき。

(d) 商標を実際に使用するとき、その商品もしくは役務の性質、品質または原産地について公衆に混同誤認を生じさせるおそれがあるとき。

 

関連記事:「台湾における商標審判手続概要————取消審判」(2012.12.07)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/1997/

 

 

 

■ソース
・「台湾商標法」
URL:https://www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=610404&ctNode=6822&mp=2

・「台湾商標法施行規則改正草案条文対照表」JPO
URL:https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/taiwan/shouhyou_kisoku.pdf
■本文書の作成者
理律法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2018.09.07

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