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韓国における秘密意匠制度

2018年10月30日

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■概要
秘密意匠(韓国語「秘密デザイン」)制度は、意匠権の設定登録日から3年以内の期間を定めて、登録意匠の内容を意匠公報等に公告せずに秘密の状態を維持する制度をいう(意匠法(韓国語「デザイン保護法」第43条)。意匠は物品の外的美観であるため、他人による模倣および盗用が容易であり、また、流行性が強いという特徴もあるので、秘密意匠制度を活用することによって、意匠権を取得しながら、製品の発売前に他人による模倣等を防ぐことができるというのは、大きなメリットである。この制度を利用するためには、秘密意匠の請求時期等に注意しなければならない。
■詳細及び留意点

(1)意匠を秘密にすることを請求できる者、時期および対象

 意匠登録出願人のみが請求可能であり、意匠登録出願をした日から最初の意匠登録料を納付する日までに行う必要がある(意匠法(韓国語「디자인보호법(デザイン保護法)」)第43条第2項)。複数意匠登録出願された意匠に対しては、その出願に含まれる全てまたは一部の意匠に対して請求することができる(意匠法第43条第1項)。

 

(2)秘密にできる期間

 意匠登録出願人は、意匠権の設定登録日から3年以内の期間を定めて、月単位でその意匠を秘密にすることを請求することができる。

 また、意匠登録出願人または意匠権者は、意匠権の設定登録日から3年以内の範囲で、秘密意匠の申請期間の短縮または延長を申請することができる(意匠法第43条第3項)。

 

(3)効果

 秘密意匠が設定登録された時には、意匠公報(韓国語「디자인심사등록공보(デザイン審査登録公報)」)には、実体的内容(図面または写真、創作内容の要点、意匠説明)は掲載されず、書誌的事項(創作者、出願人等)のみが掲載される(意匠法施行令第10条第2項 但書)。

 なお、意匠登録出願人が請求した秘密期間が経過した後には、その意匠の実体的内容は意匠公報に掲載される(意匠法施行令第10条第2項 但書)。

 

(4)秘密意匠の閲覧

 特許庁長は、以下の場合には秘密意匠の閲覧請求に応じなければならない(意匠法第43条第4項)。

 

 (i)意匠権者の同意を受けた者の請求がある場合

 (ii)審査、審判、訴訟の当事者や参加人の請求がある場合

 (iii)意匠権侵害の警告を受けた事実を疎明した者の請求がある場合

 (iv)法院または特許審判院から請求がある場合

 

【留意事項】

(1)意匠登録出願が登録決定されれば、製品の市販時期等を考慮して、秘密にすることが必要であれば、登録料納付前までに秘密意匠の申請要否を決定しなければならない。ただし、日本とは異なり、創作者は秘密にすることができない点に留意が必要である。

 

(2)秘密意匠について損害賠償請求を行う場合は、侵害行為について過失の推定規定の適用が排除されるため(意匠法第116条第1項但書)、秘密意匠権者または専用実施権者は、原則通り、侵害者の過失について立証しなければならない。

 

(3)意匠権または専用実施権を侵害した者または侵害するおそれがある者に対して、侵害の停止または予防を請求しようとする場合には、特許庁長より証明を受けた秘密意匠に関する事項について記載する書面を提示して警告した後でなければ請求することができない(意匠法第113条第2項)。

■ソース
・韓国意匠法
・韓国意匠法施行令
・韓国意匠法施行規則
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2018.02.08

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