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トルコにおける第一国出願義務

2016年05月09日

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■概要
トルコには、国内で生まれた発明についていずれも最初にトルコに特許出願すべきと直接的に義務付ける規定(いわゆる、第一国出願義務)はない。ただし、トルコ特許法内の2つの規定を組み合わせると、トルコ国内で生まれトルコの国防にとって重要な発明について最初にトルコに特許出願または実用新案出願することが求められると解釈できる。
■詳細及び留意点

【詳細】

 トルコ国内で生まれた発明について、第一国出願義務があるか否か(トルコ国外に出願する前にトルコ特許庁に出願する必要があるか否か)という点について、国内で生まれた発明についていずれも最初にトルコに特許出願すべきと直接的に義務付ける規定はトルコ特許法にはない。一方、トルコ特許法第125条および第128条は、以下を規定する。

 

 トルコ特許法第125条(秘密保持の条件):

 ・・・トルコ特許庁は、出願に係る発明が、国防に重要であるものとみなすに至る場合は、・・・当該状況を文書で出願人に通知するものとし、直ちにトルコ国防省に出願の複写を送達することによりトルコ国防省に伝達するものとする。・・・

 

 トルコ特許法第128条(秘密特許の外国における出願に係る許可):

 トルコにおいてなされた発明が第125条を条件として、トルコ特許庁の許可なくトルコ特許庁に対する特許出願日から2月の期間の満了前に何れの外国においても当該発明につき特許出願はできない。外国出願の許可は,トルコ国防省の具体的な許可がなければ発行されないものとする。

 発明者がトルコに居住する場合で,反証を欠くときは,発明はトルコでなされたものとみなす。

 

 これらの規定は、トルコ国内で生まれた発明がトルコの国防にとって重要である場合は、トルコ特許庁の許可がなければ、トルコ国外に特許出願することができない、ことを意味する。つまり、トルコ特許法第125条および第128条の組み合せから、トルコの国防にとって重要な発明がトルコ国内でなされた場合は、最初にトルコに出願すること(第一国出願義務)が求められる。

 

 なお、トルコ国内で生まれたトルコ国防にとって重要性を有する発明について、トルコに第一国出願しなかった場合についての罰則は、トルコ特許法には規定されていない。

 

 また、トルコに第一国出願した発明がトルコ特許庁によってトルコ国防に重要であるものとみなされた後に、トルコ特許庁の許可なく同一発明について外国に特許出願した場合、についての罰則も、トルコ特許法には規定されていない。

 

 さらに、トルコ国内で生まれたトルコ国防にとって重要性を有する発明についてトルコ国外に第一国出願し、このトルコ国外出願を優先権主張してトルコに出願した場合の取り扱いについても、トルコ特許法には規定されていない。

 

 トルコ特許法に明確な規定はないが、トルコの国防にとって重要性を有さないことが明白である場合は、トルコで生まれた発明であっても、最初にトルコ国外に特許出願してもよい、と考えられている。

 

 実際には、トルコにおいてなされた発明について、トルコに第一国出願をするよりも、PCT出願またはEPOへ欧州特許出願(以下EP出願)がなされることが多い。PCT出願またはEP出願の場合、出願から12か月(優先権主張期間終了)よりも十分前に出願に関する調査報告書を取得することができ、出願人にとって、対応外国出願を行うべきか否かを評価することができる、というメリットがあるからである。一方、トルコ出願については、トルコ特許庁において調査報告書が作成されて出願人へ送付されるまでには、通常、出願から12ヶ月を超える。

 

 ただし、トルコ特許法第125条および第128条の目的が有効に達成されるためには、トルコ特許庁が最初に発明を確認する必要がある。このため、トルコにおいてなされた発明についてのPCT出願またはEP出願は、たとえトルコを指定国に含んでも、トルコ特許法第125条および第128条が間接的に要求する第一国出願義務を満たすことにならない。

 

 したがって、トルコ国内で生まれた発明がトルコ国防にとって重要性を有する場合は、PCT出願やEPC出願ではなく、トルコ特許出願または実用新案出願を最初にトルコ特許庁に行う必要がある。

 

 また、トルコ国内で生まれた発明が、トルコ国防にとって重要性を有する可能性があるのであれば、トルコ特許出願または実用新案出願を最初にトルコ特許庁に行うべきであろう。

 

【留意事項】

 トルコ国内で生まれた発明がトルコ国防にとって重要性を有する場合は、PCT出願やEP出願ではなく、トルコ特許出願または実用新案出願を最初にトルコ特許庁に出願する必要がある。

■本文書の作成者
STOCK INDUSTRIAL PROPERTY SERVICES A.S.
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2015.11.24

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